個人と法人、どちらがお得?生命保険の話

「貯蓄は三角、保険は四角」とよく言われます。

貯蓄は、少しずつお金を貯めることなので、年月とともに貯蓄は増え、金額は右肩上がりの三角形となります。

一方、保険は、加入した直後から契約期間中ずっと、一定の補償を受け取ることが可能になります。契約直後からお金を手にすることも可能ですので、金額は安定した四角形となります。

特に若い頃は、貯蓄が少ないため、若いうちに保険に加入することが非常に大きな意味を持ちます。

「貯金があるから、保険は必要ないよ。」とか「保険会社が喜ぶだけだよ。」という人もいますが、保険はうまく活用することで、大きなメリットをもたらすことが可能になります。

今回はその生命保険に関する話になります。

個人の生命保険

個人で生命保険に加入する場合、節税対策といえば、生命保険料控除しかありません。

具体的には、2012年以降に契約した保険に関しては、生命保険4万円、個人年金保険4万円、介護医療保険4万円の12万円、住民税だと7万円、所得控除が使えることになります。

年末調整をすることで、課税所得を少しだけ減らすことができるのです。

ただ、どれだけがんばっても、この金額が上限なので、節税効果はかなり限定されることになります。

法人の生命保険

法人が契約者となり、役員または従業員を被保険者、受取人を法人として、生命保険に加入すれば、保険料の全部または一部を損金として計上することができます。

具体的には、解約返戻金のない定期保険の場合は、保険料の全額が、返戻金のある定期保険の場合は、保険内容によって、その一部を損金として計上することができるのです。

保険の種類や将来の返戻金の受け取り方によって、節税の効果が異なってきますので、法人保険を活用するときには、入口戦略となる損金算入効果を重視しつつ、出口戦略も考えて選択することが重要になります。

保険の解約時に受け取る返戻金は、その全部または一部が雑収入になります。

つまり、よく考えて受け取らないと、出口で税金をたくさん納めることになるのです。例えば、設備の更新や修繕等で一時的に減価償却や経費が増大するのを見越して解約すれば、返戻金と相殺することが可能となります。

また、社長の退職金を捻出するために、生命保険を利用する方法があります。

社長の退職時に解約することで、返戻金収入を退職金という経費と相殺して、返戻金に税金がかからないようにすることも可能なのです。

利益のでている会社にとって、生命保険は保険料を支払った分が経費化できる点が最大のメリットです。

しかし、保険料全額を経費化したい場合は、原則として、掛け捨て型にする必要があります。万が一の保障だけを買うなら、この掛け捨て型でいいと思います。

これに対して、解約返戻金が戻ってくるタイプは、いわゆる積立型の保険です。保険料には保障部分と積立に充当して運用する部分があって、積立部分が解約返戻金や満期返戻金として戻ってきます。

積立型の保険は、法人の利益を保険会社に一時的に積み立てしているようなものです。実際には、資産的な要素が強いにもかかわらず、保険会社にいくら積み立てても、このお金は貸借対照表には記載されません。つまり、法人保険を利用して簿外資産を積み上げているようなものです。会社が突然の出費で赤字になったり、まとまったお金が必要な際の予備費として、利益の中から少しずつ積立貯金をしておくようなものです。

もちろん、保険なので、元本がすべて保証されているわけではありませんが、積立型の保険は節税と資産形成の両方の面を兼ね備えています。

私の考え方

法人で生命保険に加入することの良い面ばかりが目立ちます。しかし、細かい話をすると、受取人が法人になっているため、そのお金を個人名義にしようとすると、結構面倒なことになるケースもあります。(法人に支払われたお金を個人が受け取りすることになるので。)

このため、個人的には、退職金の積立機能があり、保険料の一部が損金計上できるような保険は法人契約し、医療保険やがん保険などの保険は、個人契約とするのが、無難な選択なのではないかと考えています。

もっと、うまく節税したいという人は、税理士の先生に相談されるといいかと思います。

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