今注目!生きているけど働けない状態になったときに助かる制度

会社員の夫が亡くなったら、残された遺族には遺族年金や生命保険が支給されます。

ところが、最近、話題となっているのが、生きてはいるけど、働くことができない状態になった場合、どうするのかといった問題です。生きているので、遺族年金や生命保険はもらえないし、かといって今までのように働けないので、会社で給料もボーナスももらえません。

今回は、このような状況を助けるための制度をいくつか紹介していきます。

傷病手当金

傷病手当金は健康保険の給付の一種で、被保険者が病気やケガで会社を休んだときに給付されるものをいいます。次の3つを満たすと、支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の3分の2が支給されます。ただし、同一の傷病等につき、支給開始から最長で1年6ヶ月間と期限付きとなっていることに注意してください。

支給要件
・療養のため、働くことができないこと(自宅療養でもOK)
・連続3日間会社を休んでいること(4日目以降の休んだ日について支給されます)
・給料が支払われないこと(給料が支払われた場合は差額支給もあります)

これで、教科書的には傷病手当金の説明は終わりです。

ただ、私の経験上、最も気になったのが、傷病手当金支給のタイミングの問題です。

例えば、休職をして、4月がすべて無給だったと仮定します。この場合、傷病手当金はいつ支払われるのでしょうか。

私は給料日である月末にはもらえるものだと思っていました。ところが、4月が終わって5月のはじめにかかりつけの医師から傷病手当金用の診断書をもらう必要があります。4月の診断書なので、5月にならないと医師は傷病手当金用の診断書を書いてくれません。そして5月に必要書類を揃えて、健康保険に提出し、そこから審査プロセスに入っていきますので、実際に傷病手当金が支払われるのは5月末になります。つまり無給状態となってから2ヶ月は傷病手当金をもらえないということになります。診断書があれば、手当金をもらえるのは確実だと思われますが、一時的に資金繰りが苦しくなるのは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

あと、体をこわして傷病手当金の支給を考えている会社員の方々へ、もうひとつコメントがあります。通常、傷病手当金は1年半、受給することができますが、健康保険組合によっては付加給付といって、1年半以上の期間、傷病手当金をもらえることができる場合があります。この点は、自分の会社の属する健康保険組合に事前に確認しておうたほうがいいように思います。また、一般的に、傷病手当金を受給できる期間よりも、休職期間(会社に在籍しておきながら、給料をもらえない期間)のほうが短いため、休職期間の満了期限、満了した場合の身の振り方(転職、傷病手当金の継続受給、失業保険・・・等)も、さまざまなオプションを考えておいた方が、安心して療養に専念できるかと思います。

自立支援医療

うつ病、適応障害等の精神疾患にかかると、医療費が意外とかかることはあまり知られていません。医師の診断書代等も含めると、その出費額はかなりのものとなります。そこで、いくつか工夫が必要となるわけですが、その中のひとつとして「自立支援医療」というものがあるので、下記に紹介します。

自立支援医療とは、公費負担医療のひとつで、簡単に言えば、下記の精神疾患を患った場合、患者の3割負担を1割負担にする制度です。対象となるのは全ての精神疾患で、次のようなものが含まれます。

・統合失調症
・うつ病、躁うつ病などの気分障害
・不安障害
・アルコール、薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症
・知的障害
・強迫性人格障害など「精神病質」
・てんかん など

1割負担も過大なものにならないよう、1ヶ月あたりの負担には世帯の所得に応じて上限を設けています。自治体の診断書フォーマットを病院に提出し、医者に診断書を書いてもらい、再度、自治体に提出します。2ヶ月ほど待てば、3割負担が1割負担に変わり、提出日からの診療代のうち2割分は還付されます。このため、なるべく早めの申請をおススメします。ただし、この制度は1年更新となっており、該当する特定の医療機関でないと使用することができません。つまり、特定の病院でうつ病の治療にかかる費用は1割負担であっても、腹痛や鼻炎など、他病院での受診となると、通常通りの3割負担となることに留意しなければなりません。上記の病気に該当する人にとっては、診断書代、診療代、薬代がバカにならないため、一考に値する制度となっています。

所得補償保険

所得補償保険とは文字通りの「補償」であり、収入が途絶えてしまった時に収入を担保してくれるものです。生命保険ではなく損害保険の領域の商品となります。生きていながら、働くことができない場合に威力を発揮します。所得の減少分をカバーしてくれるため、安心して治療等に専念することができます。唯一の欠点は保険料がやや割高なことでしょうか。最近は生命保険よりもこの所得補償保険のほうが脚光をあびてきているような気がします。

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